人の家を泊まり歩いて学んだこと

パリのアパートの一室。同じKサイズのベッドで寝ている昨日知り合ったイタリア人の男性のいびきに起こされる。そのとなりのオランダ人の女の子はまだ熟睡しているから不思議だ。

 

これを読んでへんな想像しているようであれば、それは反省していただきたい。3人は12時間前に、はじめましてを交わしたばかり。オランダ人の子も、わたしも、カウチサーフィンという、現地の人の家に泊めてもらうアプリを通して知り合ったこのイタリア人の男性にただで泊めてもらっているだけだ。エアマットレスもあるのだが、みんなキングサイズベットに寝たいということでこのアレンジメントになった。宿泊費節約のために使い始めたけれど、純粋にその国で暮らしてる人のローカルな生活が除けたり、いろんなひとのライフスタイルが経験できるのが何より楽しい。その代わりに、自分に何にできるかって考えるのもいい勉強。

 

5ヶ月も放浪してると、必然と自分の旅スタイルが見えてくる。観光よりも何よりも正直1番の楽しみはいろんな人に出会って、その人のその地での生活をのぞかせてもらうこと。あとは言語を学ぶことかな。この5ヶ月間いろんなところに泊めさせてもらった。訪問国チョイスがどこも物価の高いところばかりだったため(これは後々説明)宿泊費節約を考えた結果いろんな経験ができた逆にできたと思っている。

 

大学院の前期のあとに休学届を出したわたし。もともと、休学する勇気もなかったわたしは、休む何か「ちゃんとした理由」が欲しかった。だから、もともと親との旅行で行く予定だったイスラエルエルサレムインターン先に履歴書を送り、約2週間ほどで現地のNPOで無給でインターンさせてもらうことに。にしても物価が高いイスラエル。そこで workaway.comというボランティアマッチングアプリでホステルを見つけ、ホステルで働く代わりに寝泊まり食費ただで過ごす方法を見つけた。ここで、ホステルでのボランティアの方が楽しくなったのと、インターンにコミットする前にいろんなところを見たくなり、インターンをやめてworkawayでしばらくイスラエル内を旅行した。エルサレム郊外のホステルの後は家族経営のレストラン、そのあとはホステルで知り合った友達とシリアとの国境近くを1週間ほど歩いた。友達が働いてたなつめやし農園で寝袋とマットを借りて、星を見ながらシュラポンしたのはいい思い出。そのあと、カウチサーフィンを利用したり、旅途中に出会ったひとで「泊まりに来なよ!」と誘ってくれた人のお宅に泊めてもらった結果、宿泊代を払ったのはパレスチナでアパートを借りた2ヶ月のみ。その間も、難民キャンプに住む大学の友達(大学の授業は案外もぐれるもの。All you need to do is ask.) の家に泊めてもらったり、ルームメイトの遠い親戚の人に泊めてもらったり、いろんな人と一晩でもいっしょにすごくだけで言語が喋れなくてもより深く繋がれる。

 

例えば、わたしの最初のカウチサーフィンのホストはエルサレムに住む学校の先生兼個人ツアーガイド。学校ではイスラエルの土地について、歴史・地理・政治を組み合わせて、実際に生徒をその場所まで連れて行って説明する授業をおしえてるものだから、すごく土地に詳しかった。よいハイキングスポット教えてくれた上に、寝袋、そして地図まで貸してくれて、送り出してくれた。この時は2泊3日の弾丸ハイクで、到着した現地で出会った砂漠専門の地理学者の家族とともに1日歩き、キャンプファイヤーも共にさせてもらった。テントを持って来ていなかったため、正直夜中雨が降ったのは予想外であったが、まあそれもよい経験。死海のそばを歩いていたら、一つテントが空いてるよと言われてそこで一晩過ごしたり、とにかく話しかけて、なんでも聞いてみる。そしたらいろんな出会いが生まれる。知らない人でも助けてくれるし、わたしも助けてあげる。そんなんで大丈夫なの?って最初は思ったこともあったけど、意外と大丈夫。

 

ただで泊めてもらう、なんてみっともない、人頼りの自分!って思ったこともあったけど、じゃあ泊めてもらう代わりに何ができるか、っていつも考えるようになった。料理が全くできなかったわたしも日本食(もどき)を振舞ったり、折り紙スキルを急向上させたり、ユーモアセンスゼロのわたしも誰とも楽しく話せる自信もちょっぴりついた。あとは耳を傾けて本当に心からひとの話を聴く態度(まだ訓練中)。

 

なんかまとまりのない文章になってしまったけど、いろんなひとの家を泊まりあるいたり、普段出会わない人と過ごすことで世界観が一気に広がったのは確か。そして、自分の許容範囲も広がった(my motto: Don’t judge, try to understand)。もちろん1人で旅する女性として気をつけなければいけないこともあるけど、その辺もわかってくるもの。人間って面白いなって思うし、ひとのあたたかみを感じれるよい経験。いつかこの恩返しをしたいな。

 

予算が限られてるからこそ工夫して生まれる新たな機会、出会いもある。

朝の6時。今週はフランス語の本を一冊読み終わるぞ。そして、引き続き人との出会いを大切にしていきたい。うむ。日記になってしまった。